購入価格 ¥500,000-
これをローラー台に含めて良いのだろうか。
パワーマックス、通称パワマ。
知るひとぞ知る恐怖のマシンだ。
見ての通り自転車をセッティングするローラー台ではない。
既に自転車の形をしたインドアトレーナーだ。
同様のマシンでは、最近ではWattbikeなんかが使われるシーンが増えてきているようだが、如何せん普及率ではパワーマックスを見かける機会の方が多いだろう。
セッティングは至ってシンプル。
ハンドルの高さとシートの高さの調整が効くだけだ。
自分の自転車と全く同じポジションを作るのは至難といっていいだろう。
ハンドルも見ての通りドロップの部位を握るしか無い。
ブラケットポジションとしての使用は難しい。
ただ安心してほしい。
こういったポジションを自由に動かせる改造版なんかもあるのがこのパワーマックスの魅力だ。
ペダルは比較的簡単に交換が可能だ。
ビンディング化することもペダルレンチさえあれば問題無い。
ただし、六角レンチのみ対応のペダルの場合、裏側に工具が回せない関係上付かないことは難点だ。
セッティングが終われば、もう使うしか無い。
毎回これに座ろうとするたびに登校拒否児然とした気持ちになる。
何かと理由をつけて座るのをためらってしまう。
座ると次にメニューを選ぶ事になる。
・無酸素パワーテスト
・ウィンゲートテスト
・インターミッテンテスト
まずは三つのテストメニューが目に付く。
無酸素パワーテストは体重に併せた三つの段階の負荷を順順に10秒間「全力で」漕ぎ、自身の持つピークパワーを知るためのものだ。
ウィンゲートテストはこれも体重に併せた負荷を30秒間全力で漕ぎミドルパワーを知るもの。
インターミッテンテストは実は私は未経験なので知らない。
そして「次」を選択すると今度はトレーニングメニュー一覧となる。
・ハイパワートレーニング
・ミドルパワートレーニング
・マニュアルトレーニング
・オリジナルトレーニング
マニュアルトレーニングとオリジナルトレーニングはプログラム可能なトレーニングだ。
マニュアルトレーニングは負荷、継続時間、インターバル時間、反復回数、ケイデンスアラームの設定が可能で、同じトレーニングを反復するのに便利だ。
オリジナルトレーニングの場合、段階的に負荷を高めたり、継続時間を変更したりといったより細かい設定が可能となっている。
さて、問題はここからだ。
ハイパワートレーニングは無酸素パワーテストで求めた負荷を用い、全力7秒休憩40秒を5回反復の、ようはクレアチンリン酸回路を用いた運動系を使い切るHIITとなる。
きつい。本当にきつい。
3回まではなんとかなるのに、4回目からさっきまでの自分の体と同じものとは思えない足がそこにある。
ペダルが回らない。
でもこれはまだマシな方だ。
なんせ7秒もがけば休憩できるのだ。
このマシンの本当のきつさはやはりミドルパワートレーニングだろう。
これも無酸素パワーテストやウィンゲートテストで得た値を元に、30秒全力2分レストの3セット、ようは解糖系の回路を使い切るHIITだ。
1セット目。
30秒もがく。30秒が長い。本当に長い。
頭が働かなくなり、液晶を追うのが面倒になり、一刻も早くこのときが終わるのを願い始める。
しかし全く終わらない。
どれだけ力を入れても力が入らなくなるころやっと「ピー」と終わりを告げる音が聞こえる。
さぁ「今日はもう頑張った!ここでやめよう!」と何度思うだろう。
レストの120秒がそんなことを考えているうちにのこり10秒となる。
息が収まりきらないうちに足の回転が止まり、5秒のカウントダウンが始まる。
2セット目。
もう足が回るのは最初の10秒だ。
残り20秒からは顔も上げられない。
残時間を見つめるのが嫌になり、顔を伏せたまま必死で頭の中でカウントしながらもがく。
残り・・・10秒・・・。と思い顔を上げて時間を確認すると必ず13秒残っている。
頭がクロックアップしているんじゃないかとすら思う。
10秒を切る頃には足に力が入らなくなり、口から入れる息が不足して喉が悲鳴をあげる。
カウントダウンする気力も失われ、足を回すことにだけ全力を注ぐ。
5・・・4・・・・3・・・
残り2秒で何故か必ず足が動かなくなる。
「ピー」
・・・。
まだ1セット残ってるのかよ・・・。
この機械は素晴らしいマゾ育成装置だと思う。
価格評価→☆☆☆☆☆(高すぎて買えません)
評 価→★★★★☆(最近はもっといいものも出てるみたいですね)