最近はバイシクル21でも執筆しているベテラン自転車ライター・小林徹夫氏が監修する160ページの自転車本。
初心者向けの内容ですが、鉄人アニキの本ゆえ、ろくに中身も見ずに購入してしまいました。
内容は、自転車の選び方、セッティング、整備など、一通り網羅。
プロローグ・・・自転車でどこに行く
PART1・・・自転車を購入する
PART2・・・乗る前の準備
PART3・・・ポジションとセッティング
PART4・・・さあ、走り出そう
PART5・・・メカとカラダのメンテナンス
という感じで、まあ、ごく普通。プロローグでは一人用テントを張ってコーヒーを入れているあたり、ちょっと懐かしいテイスト。
書籍名に 「完全」 と謳ってはいるけど、さすがにこのページ数で、「完全」というのは厳しいですね。
しかし、順序を追って、具体的にどうして行けばよいのか、しっかり要所をおさえて、うまく解説しています。随所にさりげなく地味な鉄人節が散りばめられていて、実に手堅い、よくできた一冊です。ショップ選びに関する記述では、こんな鉄人節が・・・
(以下引用)
質問ひとつするにも気兼ねしたり、気を使うようなショップ。あるいは、強引にひとつのものをすすめてくる、質問しても的外れな答えが返ってくる、ビギナー相手には詳しく説明しようとしないショップは、いくら近所にあっても、技術が高いといわれても、自分には合わないショップと判断したほうがいいだろう。(引用終わり)
というわけで初心者の方に大いにお薦めできますが、自転車の基本を再認識したいとお考えのベテランにも、良いと思います。やっぱ、基本は大事ですよね。技術系の仕事も実は、高校物理あたりの基礎理解が重要だったりしますから。
「基礎の基礎がコワイってことを、ここで何度でもユっときます」
(byどこかの予備校の古文マドンナ講師)
そしてそして、鉄人アニキで癒されたいという、往年の鉄人ファンにもお薦めの本です。レインウエアのフードをかぶってこちらをふりむいている様(65ページ)などは、実にイイです。じゃなくて、フードが邪魔をして後方確認がおろそかにならないように、という論点ですけど・・・まあ、いいじゃないですか(笑)。
ところでこの本。小林氏の監修となってはいるものの、出来栄えからして、本人の著作とするのが普通のような気もします。そこを、しっかり 「監修」 と明記してしまうあたりに、鉄人・小林徹夫氏の、お世話になった方々への気配り加減、控え目さ加減が垣間見えてしまいます。さすが鉄人アニキだ。
ちょっと独断と偏見が全開になっちゃいましたが、それにしても、久々にじっくり落ち着いて読んで、基本を確認することができ、しかも、癒し効果もある優れた自転車本でありました。私は文句なしのfive starです。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★
年 式→2010