購入価格 ¥20000
昨年、24時間耐久ライドで麻痺し、真っ赤に擦り切れ、坐骨周辺は青紫色に変色した自分の尻を見て、このままではヤバいと思って購入。
国内価格より安いWiggleとはいえ2万円である。こういう状況でなければ購入に踏み切れなかっただろう。
当時Aliante Deltaを持っていてその形状には満足していたため、
とにかく軽いものを、ということでCarbon Braidedにした。
壁に立てかけたとき、サドルのエッジが傷つくのを防ぐプラスチック製のスカッフガードを取り外して、実測重量202g。
200gは特に軽量とは言えないが、ハンディになる重さでもない。これで乗り心地がいいなら十分許せる重さである。
裏面を見ると、Twin Flex構造のカーボンシェルが見える。
外周がカーボン、内部はケブラー?らしきものが編みこまれていて、この部分は指で押すとペコペコ凹むほどに柔らかい。
サドルに座った際、ハンモックのように荷重を受け止めることで会陰部の圧迫を防ぐようになっている。
レールはカーボン。見るからに硬そうな太いカーボンレール。
代理店の説明によれば
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■3Dブレイデッド・カーボンレール
ブレイデッドカーボンメッシュチューブにユニディレクショナル(一定方向)カーボンを充填し3D成型、
チタンと同等の強度を持ちながら軽量化に成功しています。シートポストでクランプする部分には保護のため
エポキシ樹脂を染み込ませたファイバーグラスで補強されています。
このカーボンレールは対衝撃性が求められるMTBモデルにも搭載されています。
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とのこと。つまり、3Dブレイデッドカーボンレールの売りは軽量高剛性。がっちがち。
2本のレールを手で握っても、鉄やチタンレールよりずっとしっかりしている。振動吸収性やしなりを求めてはいけません。
実際、ヤグラの固定ボルトに高トルクをかけても何の不安もなくクランプできる。
注意点は二つ。
まず、レール断面が楕円形のため、サイドからレールをクランプするヤグラには対応していないこと。
次に、使い始めはレールに巻いたファイバーグラスが潰れるため、増し締めが必要なこと。
きしみ音がしたらこれを疑ったほうがいい。マニュアルに書いてあるが、見落としがちなので注意されたし。
難点といえば、フィジークのアクセサリー専用ソケット、ICSがとても硬いこと。
ブリンクライト突っ込んだが最後、抜けなくなった。サドル外して、押して引いて格闘してやっと取り外せた。
また、表面のプリントがあまりにもすぐ剥がれること。使用1年、5000km程度で以下のようになってしまった。
ペダリング時の摩擦で汚くかすれてしまう。見苦しいので対策してほしいな。
使用によって表皮の色が落ちてきたり、シワが寄ってくるのは仕方ないか。柔らかいサドルなら
白は汚れや劣化が目立つので。そういうのが気になる人は黒にすればいい。
最後に乗った感想を。
腰掛けると沈むため、サドル高は数mm高め、角度はやや前上がりにセットアップ。
ポジションを合わせると、サドルに座ったとき、バケットシートのように尻がすっぽり収まる。
骨盤はちょっと前傾させるくらいがしっくりくる。
乗り心地の良さは特筆もので、レーパン着用時300kmまでなら坐骨の痛みと無縁。
大阪~東京キャノンボール550kmでもしっかり腰を支えてくれた。
硬いサドルから乗り換えると、タイヤがスローパンクしてるんじゃねえか?と思うほど尻に伝わる振動がマイルドになる。
全体的にパッドが分厚いので、サドル先端部を使って前乗りもしやすい。
またホールド性に優れるので、ヒルクライム時、シッティングでトルクをかけていっても安定する。
ただし、パッドが少なく硬いセライタリアSLRのほうが脚を回しやすい。交換して比べるとはっきり分かる。
さらに、股間に密着するため蒸れやすく、股ずれしやすいことが欠点。これはシャモアクリーム他で対策するしかない。
200km、300kmを超えるようなロングライドでは、コイツ以外考えられない。
価格評価→★★★★☆ 価格なりの価値はある
評 価→★★★★★ キングオブロングライドサドル
カタログ重量→ 199g
実測重量→ 217g、202g(スカッフガード無し)