購入価格 ¥1,680(税込み)
故忌野清志郎氏が書いたエッセイ集。
過去のL.S.D、即ちキューバ、東京-九州、ハワイ、奥の細道、四国、沖縄、箱根のふんだんな写真が載っている。
又、オレンジ号(初代)の詳細と愛用のグッズ類が載っており、ファンにはたまらない本となっている・・・
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実は、自分は、この本をあまり認めていない。
と言うか、ここに載っているL.S.Dを認めていない。
だって、所詮小学館とのタイアップだろ?九州まで10日かけて行った、とは言っても、サポートカーの付いた大名旅行じゃん。
何かあったらメカニックが直してくれる。重い荷物を背負う必要も無い。
そんな旅なら5日で九州まで行くからやらせてくれ、と言う感じだ。
他の旅も皆そうだ。
もちろん、仕事であると思えば当然のことであろう。
ましてや有名人、何かあったら困る人なわけだ。周りへの影響が大きすぎる。
そう考えれば、手厚くサポートが付くのは当然かもしれない。
要するにチームL.S.Dは仕事用のチームだったわけだ、なんて皮肉の一つも書いておくか。
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この本の第一の価値は冒頭の自筆散文詞?にあると思う。
曰く
「自転車はブルースだ。底ぬけに明るく目的地まで運んでくれるぜ。」
この言葉には理屈ぬきにシビれる。
喉頭癌をも、そして転移すらも「新しいブルース」としてチャレンジしていったキヨシローの面目躍如。
根っからのロックンローラー、いや、バンドマンだったんだなと思う。
第二の価値は中間部のエッセイ。
いざと言う時に子供を守るため、その為に体力をつけるため自転車に乗り始めた、と。子煩悩であった氏の優しさが見える。
そして、「生まれ変わったらサラリーマンになってオレンジ号で毎日同じように自転車通勤したい」と結ばれている。
・・・やばい、書いていて涙が出てきた・・・
第三の価値はやはりオレンジ号解剖。
その昔、オレンジ号が盗難にあった際、マス「ゴミ」では160万の自転車が・・・と騒がれたものだ。
モノの価値観は人それぞれだし、それが一般的な自転車を思い浮かべた場合に160万と言うのは、そりゃ驚くとは思う。
しかし、マス「ゴミ」の書き方は如何にも金額を強調してセンセーショナル性を煽ろうとしていたと思う。
だからゴミなんだよ、てめぇらは、って脱線しすぎだな。
まぁ、我々にすれば、そんなに驚く額かよ?と思ったかと。
そんなバイクは他にもあるし、パーツ次第で、160万は50万になると言うことを知っているからだけど。
オレンジ号解剖ページはそんなカラクリを見事に見せてくれる。
これは、オレンジ号に使われているパーツが全て最高のものであることの裏返しなんだけれどね。
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ちなみに本書の写真はこちら。
我が家のトイレ文庫に常備されw、読まれているせいか結構くたびれている。
で、この本、驚いたことにAmazonで中古18,000円とかで売られていたりする。
小学館で売り切れ(絶版と言う話も?)、そこに追悼効果と言うか商魂たくましいクズ共が値段をつけたと言うことのようで。
これを買った当時は平積みで買い放題だった(あたりまえだ)
自分も20冊くらい買い溜めしておけば、今頃ネオプリry
言っておくが、18,000円出して買う内容の本じゃ無い。定価で当然の本。
まぁ、モノの価値観は人それぞれだし、大ファンが追悼で買う分には、香典と思えば高くも無いかもしれんが。
価格評価→18,000円なら☆☆☆☆☆、1,680円なら★★★★☆
評 価→★★★★☆ 大名旅行分をマイナス。でも、なんだかんだで良く読んでいるのよね、オレ。
ちなみに我が家の本は、500円で売るのも恥ずかしいくらいヨレヨレですw