購入価格 ¥85,590
スマートトレーナーでの走行時に画面内の斜度に応じてフロントを上下させ、坂を登るツラみを一層強化して心をヘシ折りにくる悪魔的アイテム。このオプションが選択できることは、WAHOO KICKRがTacx Neoと決定的に差別化できるおそらく唯一のポイント。
導入は極めて簡単です。専用画面での接続設定などは別に必要なく、トレーナーの電源オン→KICKR CLIMBの接続ボタン長押し ぐらいで、勝手に接続してくれます。最初にボタン長押しの接続作業だけしておけば、それ以降は電源を入れて放っておくだけで接続が完了しています。また、必要なのはトレーナー(KICKRとKICKR CLIMB)側のセッティングだけで、アプリ側(ZWIFTなど)で設定作業などは必要ありません。KICKRとKICKR CLIMBの接続が済んでいれば(インジケータで確認可能)普段通りにZWIFTを起動。走行開始時にKICKR CLIMBのスイッチを一回だけ押して、固定モードから連動モードにすればあとは勝手に動いてくれます。
▼コントローラは取り外してハンドルに装着可能。
早速使ってみましたが、いやー実に面白いですね。本当に画面内で坂になると、フロントが斜度に合わせて上下します。いや、そういう機械なので当然ではあるのですが、自分の意思と関係なく自転車本体が動くというのは思っていた以上にインパクト大です。ゲームセンターで、Space Harrierを初めてプレイしたときの衝撃を思い出しました。また、車体が斜めになって腕に力を入れる必要があるので、坂のツラさって、ペダルが重くなるだけじゃないんだな、と改めて思い知らされます。
上下の動作は、1%刻みで段階的に行われている印象。ZWIFTでは、画面右上の斜度表示が変わるとKICKR CLIMBがクイッと斜度を変えてきます。カクンカクンとした印象があるのは否めませんが、それだけ斜度の変化を細かく捉えて即座に反映させてくるということでもあり、この手のデバイス、しかも家庭用としては相当なレベルの高さではないでしょうか。少なくとも、斜度の変化に上下の動作が遅れる、という感じは全くありませんでした。Alpe Du Zwiftを下っているときに、路面が少しだけ浮きあがってる、というような場所でダウンヒル中のフワッと上下する感覚が得られたのには驚かされました。
デカくて重いのでセッティングの手間が倍になりますが、それを補って余りある面白さと利便性が享受できます。ZWIFTのコースが充実してくれば、もう実走する必要ないかも?
また、導入メリットのもう一点は、トレーナーと自転車を設置した時のフットプリントが最小化されること。フロントホイールの縦方向半分近い長さがバッサリ短縮できるので、生活動線を思いっきり遮りまくる場所(=玄関)にトレーナーと自転車を設置せざるを得ない狭小集合住宅住みには大変ありがたいです。
価格評価→★★★☆☆(さすがに高いです…)
評 価→★★★★★(唯一無二。スマートトレーナーの実走感が、さらにマシマシに)