MINOURA ワークスタンド RS-1600
購入価格 ¥14,324(ワールドサイクル)
国内ブランド、国内通販ならではの納期のわかりやすさ、価格の安さが決め手になってこちらを購入。長さ1m、幅と高さ20cmくらいの細長いダンボールで納品されてきた。
全体が大径のアルミパイプで構成されていて、最後に記してあるカタログ重量と比べて、わりに軽量だと感じた。 三脚部と垂直の柱、バイクを直接支えるビームまでは組まれた状態であるので、組み立てはほぼ不要。 フロントフォーク受けが付属してくるので、ビームの先端から押し込んでやるだけで使用可能な状態になる。 スポーツバイクのメンテナンス、何ならタイヤを外してチューブ交換をしたことがある方なら、実物を目の前にすればほぼ説明不要である。作業の簡単のため、クイックの向きは自転車と同じく揃えておくのがいいだろう。
標準構成では前述のようにフロントフォーク受けのみ。これは残念ながらParktoolのものとは異なり、クイックのカム比は通常のクイックレバーと大差ない。 ギリギリ爪をクリアするくらいの緩め方で抑えておけばなんとかフォークを固定できるものの、しっかり固定するためにはやはりボルトを回す必要がある。 バイクが不安定な状態でこの作業は若干ストレスであるため、ちょっと減点ポイントである。一度固定できてしまえば、まったく意識から消え去ってしまうけれど。
リアエンド受けは別売り、130mmと135mmが確か別品番であったと記憶している。2500円程度のものだったので、バイクのオーバーホールを考えている方は準備しておいた方がいい。 これもフロントフォーク受けとともにビームに押し込んでおける。ただし前述のダンボール箱にうまく収まらなくなってしまうところがちょっとだけ残念な点である。これはビームを取り外しても状況はあまり変わらない。仕方がないので、自分は箱の上から細引で縛って収納している。
どちらの受けもビームをスライドする部分の固定はクイック式なので、サイズの違うバイクを次々に載せる場合にもストレスは少ないだろう。一方で、個人で一台のバイクに使用する場合にクイックである必要性はないので、ボルト止めに改装してその分コンパクトにする余地があると思う。
これ以外の各部の固定は、ビームの角度決めがスチールのピンである以外はすべてクイック式。高さの調整や回転が楽にできる。 とりあえずロードバイクで固定力不足を感じたことはなく、それなりのスペースが必要なもののグルッと回すだけでバイクの裏面にアクセスできるのは、作業に集中できてとてもいい。 自分は持っていないのだがいわゆるディスプレイスタンドでのメンテはちょっと考えられないくらいになってしまった。チェーンの注油やブレーキの調整などの軽微な作業でなければ、これを引っ張り出してきてバイクを載せてしまうくらいである。 地味に便利なのが、ピンを差し込む穴が二つあって角度が2通り(ビーム前上がり=バイクほぼ水平、ビーム水平=バイク前下がり) に固定できること。リアエンドを固定してビームを水平にするとハンドル周りがかなり下に降りてきて、細かい作業がやりやすいのである。
最大の問題かと思うのがBB周辺の構造。BB受けが三脚の真上にあり、重量配分がパークツールのものと違ってくる。 BBから真下にかかる荷重には強いのだが、逆に回転には弱い(BBに回転の力を加えると、スタンド(とバイク)の反力に抗してくれない)。そんなわけで、クランクまわりの作業(BB、クランク脱着、ペダル脱着)に対しては不安定さを感じる。 これらはそう頻度高く行う作業でもないし、その場合はホイールを付けて地上作業へ移行するのが基本である。 また、ストラップの固定位置がBBに近く、チェーンリングと干渉するのもストレスである。脱着が面倒なだけでなく、自転車の固定力にも若干影響している気がする。
細かく見ていくと隙があるものの、こうしたしっかりしたメンテスタンドがあると、バイク整備が便利で楽しくなる。
カタログ重量 3.6kg 価格評価→★★★★★(バイク整備が便利) 評 価→★★★★☆(メンテ好きなら、安い)
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