購入価格 ¥18081@wiggle
ウール混紡、やや厚手の冬ジャージです。スロバキア製。
メリノウール 53%
ポリエステル 43%
ライクラ 4%
というわけで、メルクスが活躍していたころのウールジャージのようにウール100%とか、ウール+アクリルといったシンプルな混紡ではないところに、伸縮性、耐久性、透湿性への配慮が窺われます。
選択したサイズはXL。
Isadoreのサイトに詳しいサイズガイドがあるのですが、いまひとつヒンと来ません、ではなくて、自分の面倒くさがりの性格がこういうところでチラと出ます(笑)。XSからXXLの中からXLを選択してみました。これで小さすぎることはないだろうという呑気な読みが当たるかどうか。大きかったら直せばいいや、と申しますか、まあ、大きめを選んでおけばあとは如何様にもなる、ということで ・・・
なお、使用者は180cm×65kg程度です。
2016年末から2017年の4月末まで半年弱ですが、パールイズミの使い込んだ冬ジャージと交互使用で使ってみました。
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印象 ・・・
●ウール独特の匂いが微かに香ります
●XLでは多少大き目かと思いましたが、実際はそれほどでもありませんでした
●伸縮性があるものの、腰のフィット感が比較的強めで、例えば180cmで80kgの方にはキツイかもしれません
●ファスナーを上げると、首が全然太くない私でもフィット感が結構あるので、例えば柔道などで首を鍛えているような人には少々キツイと思います
●手に取ると少し重め(485g)ですが、着用すると軽く、なかなか着心地、手触りがよいです
●裏起毛加工が施されていますが、透湿性、暖かさは厚手の冬ジャージとして十分に納得できるレベルです
●汗ダラダラな登坂走行のあと1日放置しても、ずいぶん爽やかな風合いを維持します(気のせい?)が、もしかして2、3日洗わなくても大丈夫だったりして?(洗うけど)
●毛玉とは無縁に見える滑らかで緻密な表生地で、扱いが楽です
●肘パッチはごく薄く、ライドの邪魔を一切せず、存在の主張も弱めでたいへん上品です
●3つの背面ポケットは結構丈夫な造りで、知らぬ間に縫い目が綻びて小銭がポロリ ・・・という大昔の欧州ジャージで必至だった事態(言い過ぎ!)はなさそうです
●右側のポケットはファスナー付の小さい合繊ポケットが中に仕込まれた2重構造になっていますが、鍵や貴重品を入れるのに便利
●よく見ると合繊ポケットからヘッドフォンのコードを通すアイレットがあり、コードを内側に這わせることが可能で、普段着として使う場合にはとても便利
●このポケットは大きくはなく、iPhone SEや、SONYのハイレゾ・ウォークマンNW-ZX1(いずれも120mm×60mm程度の大きさ)がちょうど入る程度で、特にNW-ZX1のブラインド操作との相性が良く、なかなか快適に使えます
●ポケットの位置が多少高めと思いますが、これはワタシ的には好みです
●見方によってはある種サイケデリックなオレンジ三つ玉デザインは普段着としても十分通用するアクセントだと思います
●小ぶりな反射テープがひっそりとレイアウトされていますが、この三つ玉も暗闇で鮮やかに浮かび上がって視認性を助けます
●反射テープは右側走行用に配置されていますが、粋なので気にしません
というわけで、着心地、かっこよさ、使い勝手の三拍子がそろっており、買ってよかったと思える冬ジャージです。とにかくカッコいいですねぇ。着るほどに愛着がわくタイプの良質な衣料品という印象です。長く愛用することになると思います。何年(何km)使うことになることやら。
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適切な使い方 ・・・
ちょっと厚手の生地ではありますが、寒い時期には必要に応じてウインドブレーカを併せて使うような古典的な着こなしの冬ジャージです。
標準モードでのマシンウォッシュが可能です。が、ネットに入れる必要はあります。脱水も通常モードで全く問題なし。わざわざ手洗いする必要はありません。普通の粉末洗剤でも縮まず、風合いも損なわれません。このあたりは昔のデリケートなウールジャージとは違います。が、気になる方は液体中性洗剤で手洗いをどうぞ。ちゃんと脱水すれば平乾しの必要もなく、そのまま太めのハンガーで室内干しすれば大丈夫です。伸びたりしません。ただし、乾燥に要する時間はモダンな合繊系冬ジャージより長めです。
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気になった点 ・・・
肩の力を抜いてロードハンドルを握ると、徐々に袖が後退して若干ですが、袖の長さが足りなくなります。このままでも良いのですが、欲を言えば、というレベルです。普段着としてみれば長すぎるくらいですが、寒い時期にロードハンドルを握った時に、引っ張らずにグローブで袖を掴むとなると、あと2センチほど長いと助かるなあ、というところです。
さらに、袖の縫製ですが、コレ。
左が表、右が裏側
先端に2つ折り筒状の別ピースを接続したこのトラディショナルな袖の造りは、長袖のポロシャツ等でも見られます。正直申し上げて、自転車ジャージでこの造りはイケてない。購入時に確認した画像では、縫い目が盛大に裏側に盛り上がるような袖ではなく、縫い目も含めて平坦なのっぺりした袖のように見えたのですが、見誤ってしまったようです。残念ながらこのデザインはワタシ的には全く好みではありません。袖の延長も含めて、来シーズンまでに改造しようと思います。・・・オリジナルのIsadoreが出来上がるわけで、それはそれで楽しみではあります。ひとくふうすることでさらに愛着がわくことでしょう。
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箱に入っている時点で少々驚きますが、さりげなく主張のある梱包です。
箱に入っていた一枚のカード。
“If you don't know where you are going, you will probably end up somewhere else. ”
「どこへ行こうとしているのかわかっていないのなら、あなたはきっとどこか別のところに行き着いてしまうことでしょう」
カナダの教育学者Laurence J. Peter (1919 –1990)の言葉らしいのですが、何とも意味深なカードが入っているものですねぇ。本当に勉強になる買い物です。どういう意味なのかよく理解できず、考え込んでしまいました。Isadore設立者で1985年スロバキア生まれの現役ロードマン・ヴェリトス兄弟って、本当にクール、だなぁ・・・と思います。現役バリバリで走っているのに起業し、こういう商品を企画してしまう。その目はどこか遠くのある一点を見つめているようです。
誇らしく、さりげなく”DESIGNED BY VERITS BROTHERS”
「世評に流されるな、君が本当は何をやるべきなのか、自分自身で考えるのだ」
という意訳を考えてみました。
価格評価→★★★★☆
評 価→★★★★☆
年 式→2016
実測 重量 485g
この兄弟のデビュー当時の写真を見ると、イケメンですね。隣国ハンガリーの三羽烏の一人、デジュ・ラーンキが華々しく登場した頃にちょっと似ています(完全に余談)。