購入価格: ¥0 (税込) ※AZ KM-001 極圧・水置換オイルスプレーのおまけ
標準価格: ¥723 (税込)
『遅乾性の洗浄液がチェーンに留まり、油汚れをじっくり溶かす。AZのチェーンクリーナー最高の洗浄力のことだけはある』
■ ネット通販のおまけにもらったチェーンクリーナー
私は割と頻繁にチェーンをクリーニングする。現在、主にチェーン洗浄に用いるクリーナーは以下の3つだ。①は自転車からチェーンを外して水洗いするとき、②自転車からチェーンを外さずに水洗いするとき、③は自転車にチェーンをつけたまま室内で洗浄するときといった感じで使い分けている。
①AZ 自転車用チェーンディグリーザー高浸透タイプ (左)
②AZ フィルタークリーナー (中央)
③AZ 速乾性チェーンクリーナー650ml(強力パーツクリーナー) (右)
以前はAZのネット通販で自転車関連用品を購入し、販売サイトでレビューを書くと主に③をプレゼントとしてもらえた。このプレゼントは購入商品や購入時期によって変化する。今回投稿するMCC-002 バイク用チェーンクリーナー パワーゾル 遅乾タイプは、AZ KM-001 極圧・水置換オイルスプレーを購入した際にもらったものだ。
AZ MCC-002 バイク用チェーンクリーナー パワーゾル 遅乾タイプ
■ 素材への攻撃性が低い遅乾性のクリーナー
MCC-002 バイク用チェーンクリーナー パワーゾル 遅乾タイプ(以下パワーゾル)は、油汚れをじっくりと溶かす遅乾性のチェーンクリーナーだ。スプレー缶とノズルは速乾性チェーンクリーナー650ml(強力パーツクリーナー)と同じもので、ゴム・プラスチックへの攻撃性の低さ、低臭性、水洗い不要、逆さ噴射可能ということも同じだ。遅乾性のパーツクリーナーという印象だが、同じAZの超強力・中速乾パーツクリーナー 650ml PA-003はよりも素材への攻撃性が低く抑えられている。
また、パワーゾルはAZのゾルシリーズのひとつで、フィルタークリーナーと同じ缶に入ったタイプのものも存在する。ゾルシリーズには、他に速乾性のクイックゾル、生分解性のクイックゾルがあるが、パワーゾルが最も洗浄力が高い。また、潤滑剤が配合されたゾルブシリーズというものもある。
実は極圧・水置換オイルスプレーよりもおまけのパワーゾルの方が値段が高い
■ 洗浄液でチェーンが濡れている間に油汚れが溶ける
早速、チェーンを自転車に付けたままクリーニングしてみた。噴射力は他のAZのパーツクリーナーと同等で、チェーンに付着した砂埃などを強力に吹き飛ばすことができる。他のパーツクリーナーと決定的に違うのが洗浄液の渇きの遅さだ。チェーンに吹き付けた洗浄液はシャバシャバしていて浸透性が高く、乾く前に油汚れが滴り落ちる。なるほど、チェーンが洗浄液で濡れている間に、時間をかけて油汚れを溶かせるのが遅乾性の良さというわけだ。
ブラシで擦り洗いできるのも遅乾性だからこそ。チェーンに付いた洗浄液やトレイに落ちた洗浄液をブラシに取って擦ると、チェーンはますますきれいになる。といっても、パワーゾルの洗浄力は強いので、ブラシで強く擦る必要はない。ブラシで物理的に汚れを掻き取るというよりも、隅々まで洗浄液を行き渡らせるイメージを持つと作業しやすい。
洗浄液で濡れている間に油汚れが溶ける。スプレーする量はそれほど多くなくても大丈夫 (左)
ブラシでチェーンの隅々まで洗浄液をつける。溶かす力が強いので強く擦る必要はない (中央)
洗浄液とともに滴り落ちた、もしくは、スプレーで吹き飛ばした砂埃 (右)
■ 表面だけでなく内部までしっかり洗浄
汚れた洗浄液を布やペーパータオルで拭き取れば、チェーンの洗浄は終了だ。速乾性のパーツクリーナーでは汚れが落ちる前に洗浄液が乾いてしまうので、チェーン表面の汚れが残ることがあったが、パワーゾルで洗浄した後のチェーンは本当にピッカピカ。これなら、室内でもチェーンを徹底的に洗浄できる。
印象的なのは、注油後にチェーンの余分なオイルを拭き取っても、布やペーパータオルがあまり汚れないことだ。自転車用チェーンディグリーザー高浸透タイプやフィルタークリーナーでは、もっと黒い汁が染み込むことがほとんどだ。AZのチェーンクリーナー比較表で最も洗浄力が高いのはパワーゾルだが、私が使ったAZのチェーンクリーナーの中でも確かにパワーゾルが最も洗浄力が高い。
洗浄後のチェーンはピカピカ (左)
スプロケットには直接スプレーせず、トレイに移した洗浄液をブラシに付けて軽く擦った (中央)
完全乾燥後に注油して余分なオイルを拭き取ったペーパータオル (右) ※洗浄液を拭き取る際にはそれなりに汚れる
■ 汚れが飛び散りやすく、床に垂れやすいので注意
だが、遅乾性のパワーゾルを使った作業は、速乾性のパーツクリーナーほど手軽ではない。というのは、洗浄液が水のようにシャバシャバしており、洗浄液がブラシで擦る際に飛び散ったり、床に滴り落ちたりするからだ。特にクランクを回すと飛散して悲惨。フレームやクランク、ホイールに洗浄液が付着する。この点では速乾性のパーツクリーナーの方がずっと使いやすい。
パワーゾルで洗浄する際は、洗浄液を受け止めるステンレストレイを床に敷いたり、ダンボールなどで飛び散った洗浄液から自転車を保護したほうが良い。パワーゾルは攻撃性が低いので、フレームやパーツに短時間かかったくらいでは全く問題ないが、こうしておくことで自転車を汚さずに済む。チェーンステー下部のチェーンにスプレーして拭き取り、クランクを回して汚れた部分にスプレー&拭き取り…を繰り返せば、比較的周りを汚さずに済む。
もちろん、チェーンを外せば自転車を汚さずに作業できる。その上、自転車用チェーンディグリーザー高浸透タイプのようにブラシでガシガシ洗う必要がない分、作業時間が短くて済む。ただ、パワーゾルがついたチェーンを指で触ると、指先の油分が奪われてカサカサになってしまうので注意が必要だ。
汚れた洗浄液が垂れたり飛び散ったりするので注意 (左)
ダンボールで飛び散った汚れが自転車につかないようにするのも良い方法だ (右)
■ 完全乾燥までに時間がかかり、すぐに注油に取りかかれない
速乾性のパーツクリーナーなら洗浄後すぐに注油できるが、パワーゾルの場合は洗浄液でチェーンが濡れている時間が長く、なかなか注油に取りかかれない。もしかしたら洗浄後すぐに注油しても問題はないのかもしれないが、チェーンオイルへの影響を考えると完全乾燥後に注油したいところだ。
洗浄液が乾くまでの時間を短くするためのコツは、布やペーパータオルで洗浄液をしっかり吸い取ることだ。完全に乾燥すると、布やペーパータオルでチェーンを拭っても汚れがあまり付かなくなり、鼻をつくようなニオイもほとんどしなくなる。尚、パワーゾルは鼻を近づけるとエナメル塗料の溶剤に似たようなニオイがするが、揮発に時間がかかるからか、部屋の中にはほとんどニオイが充満しない。
作業後は洗浄液をしっかり吸い取ることが大事
■ AZで最も洗浄力の高いチェーンクリーナーだけのことはある
AZ MCC-002 バイク用チェーンクリーナー パワーゾル 遅乾タイプは、素材への攻撃性が低い遅乾性のパーツクリーナーといった感じの使い勝手だった。これはある意味想像通りだったが、チェーンがここまできれいになるのは想像以上だった。パワーゾルは洗浄液がすぐに揮発せず、チェーンに留まる続けるため、油汚れをじっくりと落としやすい。素材への攻撃性の低さも自転車には使いやすい点だ。
遅乾性のデメリットは汚れが飛び散りやすく、乾燥に時間がかかってすぐに注油に取りかかれないことだが、この点を理解すればチェーン洗浄の強い味方になるだろう。今後は手軽にチェーンをきれいにしたいときは速乾性のパーツクリーナー、徹底的にきれいにしたいときはパワーゾルを使おうと思う。おまけで手に入れたものだが、自分で買ってまで使いたいほど。1回に使う量が少ないので、コスパも相当高いはずだ。
AZのチェーンクリーナー比較表で洗浄力が星5つなのは、パワーゾルだけだ
価格評価→★★★★★ (抜群のコストパフォーマンス。これがおまけなのが信じられない)
評 価→★★★★★ (AZの他のチェーンクリーナーよりも洗浄力が高い)
<オプション>
年 式→2014年
容 量→650ml