購入価格 ¥27000
Sonyのアクションカムで、AS15の後継(上位)にあたるモデル。Gopro Hero2から移行しようと思い購入した。
以降のレビューが読みにくいと思うので結論から言うと、買って2回使って手放してGopro Hero3+ Silver Editionを購入し直した。当然満足できなかったから手放したので、それを以下で説明したい。
そもそもなぜGoproを素直に買わなかったのかというと、ヘルメット横(主にDHで使うのでフルフェイス)にマウントし易そうな形状だったからだ。Goproを横にマウントすると張り出してしまうのだが、AS30なら幾分スマートに取り付けできると思った。しかし、現実はそう甘くない。AS30Vをヘルメット横にマウントする方法はいくつかあるのだが、そのどれを使っても満足いくレベルに達しなかったのである。純正ヘッドマウントキットに含まれる専用のヘルメット横マウントが一番まともだったが、それでもGoproの汎用性やアジャスタビリティに比べればまだまだの出来だった。
小型化されたHero3+と並べてみると、意外とAS30が大きい事が分かる。AS30は先代のAS15で不評だった防水ハウジングではなく、もう少し小型化され小さくなったハウジングに変更されているのだが、それでもあまり小さくはない。ただ、この点に関してはそこまで問題ではなかった。
一番気に入らなかったのがマウント類。左がSony、右がGoproのものだが、見ての通りかなり巨大である。最近のヘルメットは曲線が複雑なのだが、この接着マウントは曲面にぴったり合うヘルメットにしか付かないと言っても過言ではなく、当然だが私のカーボンシェルのヘルメットには無加工では取り付けできなかった。一方Goproのものは接着テープにある程度のクッション性があるため、少し曲面が合わない程度なら問題なく取り付けできる。また、Goproはベースマウントに差し込むアタッチメントにアームを付けて角度調整できるようになっているのだが、Sonyのものは見ての通り差し込むアタッチメントに直接ボディを固定するようになっているため、角度調整するためには別途角度調整台座を購入して噛ませる必要がある。
また、他にも純正マウントがあるのだが、ハンドルマウントは振動で下がってくるというレビューがあったり、ゴーグルストラップを挟むマウントはそもそもストラップがカメラの重量に耐えられずブレの酷い映像になったりと、少なくとも自転車で使うに於いては満足いくマウントが無い。アクションカムに於いてマウントの充実度は非常に重要なファクターだが、この出来とラインナップでは軽視していると思われても仕方がないだろう。
VIDEO
実際にAS30で撮った映像がこちら。見て分かる通り電子手ブレ補正は結構強力に効いており、映像は見易い。左上にバイザーが見えるが、これは本来動かないはずなので、バイザーが揺れた分だけ補正されているという事になる。しかし、この電子手ブレ補正にも欠点があり、本体側で撮影しながら処理していくため、後でソフトで補正をかける、といった使い方は出来ない。別に問題ないのでは、と思う方もいると思うが、当然画角が狭くなるのと、処理エンジンが追い付いていないのか暗部にノイズが盛大に乗ることがあるため、撮った映像をPCで確認してから処理を掛けるかどうか確認、という方が使いやすいように感じた。
映像自体は手ブレ補正OFFならそこまでGoproに比べて劣っているとは思わないのだが、問題は音。この動画でもその傾向が出ているが、風切り音が一定のラインを超えると急に大きくなり、割れたようになる。どうも音がクリアになるよう意図的に調整されているような感じ音になっている(ノイズリダクションのような感じ)気がするのだが、そのせいか風切り音が不自然になる。低速では風切り音が妙に小さく、変速した際のシフターのクリック音を拾うほどの感度なのだが、中速域からは全く逆転してしまう事に違和感を感じた。
また、売りの一つであるGPS搭載とデータをオーバレイ表示する機能があり、これは非常に期待していたのだが、この機能も残念だった。まずGPS自体の精度があまり良くないため、細かい測位や計測には向いていない。また、データの記録間隔が1秒程度で固定になっており、細かく速度が変わるダウンヒルには向いていないようだ。この処理は専用ソフトで行うが、一度専用ソフトでエンコードする必要がある。これは仕方がないと思うのだが、そのソフトも操作方法がいまいち分かり辛く、性能も宜しくないようで、他の動画編集ソフトと比べて非常に時間が掛かるらしい。この辺りはそもそもマウントが使い物にならず2回ぐらいしか撮っていないため未検証なのだが、他のレビューを読んでみた限りでは共通した意見という印象を受けた。
AS30とHero3+はどちらもWifi搭載でスマホなどからコントロールできるのだが、この機能においてもGoproの方が勝っているように感じた。AS30の方がWifiのレスポンスは良く、ほとんど遅延が無いのは凄いのだが、ほとんど全設定をスマホから弄れるGoproの方が使っていて便利だった。例えば意外と面倒な日時の設定だが、Goproならスマホに繋いで日時設定ボタンを1クリックするだけで自動でセットしてくれる。手動でもできるし、そんなに何度もする事ではないが、折角スマホと繋ぐ機能があるなら、あった方が便利に決まっている。この辺りの積み重ねがGoproの完成度や使いやすさに繋がっているように思う。
<まとめ>
自転車で使用する場合に絞って色々書いたが、後発でしかも2代目でこれはないよね、といった印象を受けた。もちろん自転車専用ではないので、他の使い方では違った評価になるとは思うのだが、少なくとも自転車での使用においてはハード面でもソフト面でもGoproの圧勝だと言える。とにかく、マウントが貧弱なアクションカムはほとんど存在する意味が無いので、少し高くてもGoproを買う事をお勧めする。
価格評価→★★★☆☆(本体はさほど高くないが、マウントが高くつく)
評 価→★☆☆☆☆(Goproに手ブレ補正付いたら終わりですよ)