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出演
オヤジA : 宮大工の鯉沼利夫氏(以下、鯉)
オヤジB : 植木職人の油井正三氏(以下、油)
鯉 : 馬鹿野郎!
なにが「パワーがわからなければ練習メニューを組むことができない時代になった」だ!
なにか「パワーメーターは最早、必須アイテムなのだ」だ!
パワーだ心拍数だなどという前に、一体お前は、自分自身の感覚を研ぎ澄ませて、自分の内なる声と対話しながら走ったことがあるのか!
五感を総動員して自分の状態を把握し、漲る気力で自分自身を引っ張っていく。それも出来ずにパワーなど計測したところで、何の意味があるというのか!
・・・こんなことを言っていたオレだが、実は今、RoadLoadSurveyorで数字をコチョコチョして遊んでいるんだ、ハー,ヤレヤレ
どうやらオレのそんな恥ずかしすぎる現状をぶちまける時が来たようだな・・・
油 : 何言ってんだアンタ。CBNサイトからダウンロードできるコレか
https://cbnanashi.net/cycle/modules/static1/index.php?content_id=32鯉 : デヤァァァーーー!!っていうか、この重量物に先立ってCBNの特集記事があったが、8週連続ってのは長すぎ、最後まで読まないぞ普通
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10876&forum=120油 : あの特集はどう考えても投稿者が自分自身の整理のためにやったんだろ。こんな面倒な代物の特集連載を許可したCBNマスター氏は、なんて太っ腹なんだ!
鯉 : ところでRoadLoadSurveyorってロードロードサーベイヤ? 惑星探査機みたいだな
油 : ほんとだ。それにしてもさすがEXCEL、とにかくファイルサイズが重いし、動きも重い
鯉 : あの謎のフレーム・ジオメトリ検討ツールZITENSYAEXPLORERが2.7MB程度だったけどな~
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=8932&forum=105油 : 自転車エクスプローラって、あれも探査機か?こっちはその一桁上、デカすぎだよ
鯉 : ドヤァァァーーー!っていうかデカい
油 : コラ調子に乗るな、文豪先生のマネしすぎ
鯉 : スミマセン
油 : しかし≪1000mタイムトライアル≫の計算シートは笑えた。ちゃんと速度がダレていくじゃないか
鯉 : いくつかの式とパラメータを使って、選手の特性をモデリングしている、っていうことだな
油 : トラックTTのモデリング手法のひとつをここで提案したってわけか、このオッサンは
鯉 : 提案だね。このモデル化手法は面白い
油 : 面白いだって?なんだアンタ、このオッサンと知り合いか?
鯉 : ま、しかし取説のそこのくだりが、ヒジョーにわかりにくい。マジメに読むとキッツイなー
油 : 某社の新入社員教育用のテキストとして採用されたりして
鯉 : 某社ってサーベロとかかよ?
油 : ええっ?なんでサーベロが出てくるのよ? ていうか、採用されるわけねえよ
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油 : ≪ヒルクライム≫の計算シートはどうだ?
鯉 : このデフォルト設定のタイムって、もしかして乗鞍最速のタイム?
油 : 乗鞍でこんなに速く走れたら楽しいだろうなぁ~、ていうか上は寒そう
鯉 : そっちか。Bicycle Science
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=9588&forum=84の137ページあたりに出ているんだけど、ラルプデュエズの登坂記録を持ってるマルコ・パンターニは、ラルプを400W近いパワーで登坂したはずだと推定しているくだりがある
油 : 散々走った最後の登坂で、あの軽量なパンターニが400W出し続けるのか
鯉 : パンターニの体重と身長とマシン重量も出ていたんだが、その数値をこのEXCELに入れて目標速度を設定して、400Wのクランク軸パワーになるようにしてみたら・・・
油 : そしたら、乗鞍タイムはどうなるんだよ?
鯉 : なんと45分程度で登っちゃうんだ!
油 : ス、スゲー
鯉 : あたりまえだけど、とんでもなくすごい
油 : パンターニの記録はもう、破られないかもしれないな
鯉 : 90年代にツール5連覇したミゲール・インデュラインはどうかねぇ
油 : インデュラインは大柄な選手だったけど登坂も苦にしていなかったぞ
鯉 : 188センチで80kgが下ハン握って登坂してたもんな
油 : 迫力あったよ。そのインデュラインがパンターニと同じ出力で乗鞍を上るとタイムはどうなるか
鯉 : えーと、コチョコチョ・・・おおっ、55分程度だ。仮にパンターニみたいなスピードで登坂しようとすると、必要パワーは510W
油 : う~む、インデュラインの登坂、もう一度見たい!
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油 : この計算シート、設定できるパラメータもそれなりにそろっているし、工夫次第でいろいろ遊べるかも
鯉 : だ、だから、そんな風にコチョコチョして怠惰な日々を過ごしているオレの懺悔を聞いてくれって言ってるんだよ
油 : そこまで面白くはないだろ
鯉 : そうなんだけどよぉ。
鯉 : ホイールの慣性モーメントがスタートダッシュにどれだけ影響するか、とか
鯉 : 同じく、速度維持にどれだけ影響するのかわかっちゃうし
鯉 : ヒルクライムのタイムを縮めるためにどれだけパワーアップすればよいのか、とか
鯉 : 下りを300Wで踏み倒したら一体どんだけ速度が出るんだ、とか
鯉 : 風速20mの向かい風に向かって300Wで走ったら一体どんだけ速度が出るか、とか
鯉 : 痩せて同じパワーで平地を走ったらどんだけ速くなるんだろうか、とか
鯉 : デブになったら同じパワーでどんだけ上りが遅くなるんだろうか、とかとかとか・・・
油 : あーわかったわかった。まあ確かに、使い方次第で大抵のパワー問題に適用できそうだわなぁ。少なくとも傾向はちゃんと把握できる
鯉 : しかも、改造し放題。あと欲しいのはパイオニアのペダリングモニター、いやベクトルアナライザーと呼んでおこう。あー欲しいなぁ~パイオちゃん・・・
油 : なんだ結局パワーメーターが欲しいんじゃねえか。それにアンタ、パワータップもSRMも使ったことないのに、いきなりパイオニアかよ?
鯉 : い、いいじゃねえか。オレもこの先そんなに長くないんだからヨ。測定して、計算して、コチョコチョ・・・ウォーたまらん。夢が広がるゼ・・・
油 : ベクトル表示じーと見てコケるなよ!
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油 : それにしても計算が重い。もっとサクサク動かないもんかね?
鯉 : 誰かがweb上でかっこよく動くやつをつくってくれたらいいのに
油 : このエクセルシートは取説の式がそのまま書かれているだけだから改造し放題。おれはこれでもいいと思うよ。アンタもそのほうが良いんじゃねえの?
鯉 : あ、そうかも。よ、よーし、さっそく改造だ
油 : 何するのヨ?
鯉 : 惰性走行したら何mまで行けるか計算するシートをこしらえてコチョコチョするんだ
油 : へぇ~、なんで惰性走行なわけ?
鯉 : タイヤのころがり抵抗だよ
油 : どういうことよ?
鯉 : このEXCELのタイヤのころがり抵抗係数のデフォルト値はチューブラのコルサCXで0.0054だっていうんだが、これはちょっとよすぎるような気がするんだ。実際に自分の自転車の転がり抵抗を知る手掛かりとしては、惰性走行で、停止に至るまでの時間や距離を測る実験が考えられるだろ
油 : 実験結果と合うような転がり抵抗をEXCEL上で設定すればいいだろう、と
鯉 : そーゆーことだ!
油 : 初期速度が小さければ空力の影響を受けにくいから、そういう条件なら考え方としては、まあ合理的かもな
鯉 : 自分自身の空力特性を知りたいというのもあるが、それはキビシい。そこの精度アップは風洞設備を持っているシマノとかサーベロに任せる
油 : 金かけりゃいいってもんじゃないぜ。やりようはある。数億円もする風洞設備とか、ん百万円もする高級なFEM解析ツールとか、そういうのを使わないで何とかしようとするからこそ人間は鍛えられるんだよ。オレらは所詮素人。カネにモノを言わせ始めたときが、愉しみが失せるときなのさ
鯉 : 何だオイコラ、カッコいいことゆーじゃねぇかよ!よ~し、まずは惰性走行用に改造だぜぃ。貧乏上等!!
油 : っていうか、そもそもアンタの依頼でシマノとかサーベロが風洞実験なんてやってくれるわけねえだろ。しかしまあ、精が出るねぇ。せいぜい頑張ってください ・・・
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鯉 : 要点をまとめます
鯉 : くふう次第でいろいろなパワー系の検討ができるRoadLoadSurveyor
鯉 : 重くてわかりにくい、とんでもない代物です
鯉 : しかしいろいろコチョコチョしているとだんだん濃い味が出てくるんですよね
鯉 : さりげなく比例積分制御器が搭載されていて、制御の勉強にもなる
鯉 : 改造のし甲斐もあるけど
鯉 : わけのわからん取説にオイラの意識は朦朧となった・・・
鯉 : どうせ作者は自分のために作ったんだろうがーッ、デヤァァァーーー!!
油 : いい加減にしなさい
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栓なき茶飲み話はつづく
(先生、パクってスミマセン・・・)
価格評価→★★★★★ 格安
評 価→★★★☆☆ もう少し分かりやすかったらなぁ
年 式→2013