購入価格 約20,000円(角度調整用のシム3点を含む)
■受診の目的;ロードに乗るようになってから5年、100キロぐらいならどうにか走っていたのだが、なんだかくたびれる。もっと楽に走れるのではないか、という思いがあって、この手の計測サービスが気になっていた。
そんなおり、近所に自転車店が開店し、バイクフィットを取り扱っているという。年内に長距離サイクリングを予定していたこともあり、「できる準備は全部やる」作戦の一環として乗車姿勢を改善するべく、受診(この言葉遣いでいいのか?)してみることにした。
ちなみに私の自転車は5年前に購入したままのもの。ほとんどプロショップに出入りしていないのでフィッティングなどの情報は書籍やインターネットから取得しており、人から乗り方などを指導されたことはない。
■バイクフィットの原理;
スニーカーなどの靴底が偏って磨り減るのは、脚の動きが垂直でないため。
しかし、例えばクランクの回転動作は垂直方向に限定されていることから、ずれた方向の動作では関節に無理が生じ、パワーロスや身体の故障につながる場合がある。
関節角度の計測によって動作方向を修正し、ポジションの適正化と効率向上と故障軽減を図る。
…と、いうものらしい。なるほど。
http://bikefit.jp/これはmomochi_gyugundさんが見事に紹介されているSPECIALIZED BG-FITと同様のサービスのようである。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=9137&forum=105■予約;
計測に3時間程度必要なため予約を、とのことであったので店に電話する。その際店の方から言われたこととして、
・普段使っている自転車、シューズ等で来店を。
・可変ステムに交換してサイズをみるので、有線のサイコン等はない方がやりやすい。
どっさり残っている有給休暇を取得して平日に受診することにした。午前中に終わらせたかったため、開店時間より早くスタートしていただいた。配慮してもらい感謝。
■順番;
ヒアリング。受診目的、身長体重、月間乗車距離など。
歩いたりその場で回転したり左右の脚の長さを見て全体のバランスをチェックする。
拇指球と小指球、足首、膝、腰に目印のシールを貼る。
自転車を固定ローラー台にセットし、レーザー水準器も二台セット。
まず脚を側面から見る。
特製の分度器を使用。
下死点における膝角度が適正範囲となるよう、サドル高・サドル後退量を調整する。私の場合、膝角度がわずかに深かったため、もっとサドルをあげるべきとの判断。いろいろ調節した結果、右脚のみクリート位置を5ミリ前に出し、サドルを2センチ上げて5ミリ後退させた。
その結果、踏み込み時に力をかけやすくなった気がする。
次に脚を前面から見る。
レーザー水準器を使用。
膝頭とつま先が垂直線上で動くとき、もっとも力の無駄がないという。これを見るために膝の正面からレーザーの垂直線を当てる。レーザーの赤いラインが目で見えるのでわかりやすい。
私の場合、ペダルを踏む(ダウンストローク)時に膝がわずかに内側に入るクセがあった。これまで自分ではまったく気づいていなかったし、指摘され意識してもごくわずかな振れのためか修正できなかった。
これを改善するため、角度のついているシムを左右シューズのインソール下と、右のみクリート部にも入れた。
その結果、サドル高さなどと違い、シムを入れても見た目はまったく変わらないのだが、膝はほぼ垂直に動くようになった。
そして上半身。
下半身と上肢との角度が適切になるよう、可変ステムを取り付けて長さと角度を変えながら分度器で調べる。
私の場合、既存ステム(100ミリ)よりも短い、70ミリの長さが適正との診断。
帰宅後しばらくしてから別途購入したステムを交換した結果、ブラケットが近くなり、ハンドル下部が持ちやすくなった。
最後に手首角度を見て、ブラケット取り付け位置を調べる。
私の場合、現状の位置・角度で適正との診断だった。
■結果;
ポジションが大きく変わった。サドルを2センチ上げると、見慣れた景色のはずが全く違ったような印象があった。ずいぶん楽に走れるようになった気もするが、これは地味に継続した朝練のおかげもあるだろう。
専用器具を使用し、経験をつんだ専門家による計測と診断がみっちり2時間30分。
高額ではあるが、その価値はあった。数値などの根拠を示してもらったし、何しろ自分ではできない作業である。
目的であったサイクリングは、受診して4か月後に無事完走できた。
完走できた理由のいくらかはバイクフィットにあったと思っている。
価格評価→★★☆☆☆正直、安くはない
評 価→★★★☆☆大変ためになった