購入価格 ¥700
書店で「B21の今月号ください!」と言っても「なんですか、それ?」と聞き返されてしまう、情熱のサイクリストマガジン、BICYCLE 21。2009年11月号は、先日のジャパンカップでも注目度が高かった西薗良太選手が表紙。
何も今月号に限った話ではないのだが、B21は本当におもしろい。どうやったらこんなにおもしろい雑誌がつくれるのか、不思議なくらいである。
具体的にどうおもしろいかというと、退屈なページが全くない。どの連載も、企画もおもしろい。文章は読ませる。写真は熱い。ショップの広告さえ読ませる(例えばCICLI HIDEといった、他のサイクル雑誌にはあまり登場しないショップが広告を出している)。
基本的に自転車やサイクリング、競輪やケイリンに興味がない人でも、おもしろく読めると思う。たとえばあなたの奥さんが美容室に行くときなど、この雑誌を持たせてみよう。あなたの上司の机の上にあるAERAとか週刊文春とかハーバード・ビジネスレビューとB21をこっそり入れ替えてみよう。部下の机の上にあるバーバラ・ミント著「書く技術 考える技術」を捨てて、この雑誌を置いておこう。きっといいことがあるはずだ。
今月号もやはり「キング」三浦恭資の文章がおもしろい。P.44の「若者よ、突き進め!」は例のごとく「ウィグライ プロ」の広・・・いや、応援記事なのだが、やはり読ませる。
「この激しい練習をこなすためには筋肉のリカバリーがもっとも大事になる。もっと上のレベルに自分自身を上げたいのなら、このトレーニングを見逃すわけにはいかない。そこでWGHの出番が訪れる。筋肉のリカバリーが遅れれば、筋肉の成長が遅れると言って過言ではない。」
「WGH」とはウィグライプロ(Wheat Gluten Hyrdrolysate)の略称らしい。最初、WGHって何だろうと思った。これは、作戦なのだ。「何だろう?」と思わせておいて、検索エンジンで「WGH」と入力させる作戦なのだ。キング・三浦恭資の戦術には頭が上がらない。本人を目の前にしたら、10箱くらい買ってしまいそうで怖い。
そしてP.62、寛仁親王牌を制した海老根恵太へのインタビュー。インタビューの途中、唐突に次のような質問が。
「サプリメントのお話をうかがいたいのですが、日進ファルマの「ウィグライプロ」はいつ頃からお使いになっているのですか?」
「まだ半年ほどです。自分にはとても合っているようです。やはり筋肉のリカバリーがきいているんでしょうね。・・・・(略)」
さらにP.82。ラバネロの高村精一監督へのインタビューでも、唐突に次のようなやり取りが。
「話を少し戻しますが、スクワット2500回などの激しいトレーニングをしたあとは、やはりサプリメントは効果的でしょうね。」
「効果的だし、欠かせないです。今使っているWGHは非常にいいですよ。効率よくリカバリーしてくれます。・・・・(略)」
と、このように、雑誌をあげて日清ファルマの「ウィグライ プロ」の売り出し中である。だが不思議なことに、他のサイクル雑誌で提灯記事を読んでいる時のような不快感がまるでない。むしろ、「そうか。そんなにウィグライ プロを買ってほしいのか。なら買ってやるぞ!」と思ったりもするのだが、通販ショップ(
http://www.wgh.bz/)でしか手に入らないようだし、そもそも私はそんなに激しいトレーニングをしないので、結局買わないのであった・・・
こんなにおもしろい雑誌であるB21をスポンサードしてくれている「日清ファルマ」はきっと良い会社であるに違いない。そして「ウィグライ プロ」もそのへんのBCAAよりずっと良いものなのかもしれない。使用者のレビューを読みたいところである。
11月号は西薗良太選手特集が目玉だが、クリリンこと栗村修、伝説のロードレーサー市川雅敏の連載もいつものようにおもしろい。
どうでもよい記事が皆無で、何度読んでもおもしろい、過不足なき情熱のサイクリストマガジン、B21。レースで抜けないあいつの秘密兵器は、P.44で紹介されているあの小さな青い袋なのかもしれない・・・
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★