購入価格 ¥4,000ぐらい(材料は釣り具屋さんに売ってます)
ある日、ホイール結線を試してみたくなった。
しかし、一般的なゾルダリング(鋼線+ハンダ付け)は一度結線してしまうと簡単には解けないのでお遊び実験ホイールには不向き。
代替策として鋼線の代わりに丈夫な糸(繊維)で結線する事を思いついた。
ネットで検索してみると、タコ糸+エポキシ樹脂で結線している方の実践例がありましたが、どうせやるなら違う糸で試してみたくなった。
そこで、私の手元にあったPEラインを試す事にしました。
【素材】
・PEライン1号
・セルロースセメント
~補足説明①~
PEラインは一般に普及しているフツーの釣り糸。
PE以外にはナイロンとフロロカーボンが多く流通している。
特徴は伸縮性の少なさと高強度。
引張り強度はナイロンの10倍以上、スピナジーのスポークにも使われている最強繊維ザイロンより数%劣る程度と、ほぼザイロン同等と言っていいレベル。
また、PEはナイロンやフロロカーボンとは違って編組された糸のため、コーティング剤が浸み込みやすいのではないかと期待。
弱点は擦れてほつれると極端に強度が低下する事。
近年の釣り具業界ではザイロンも流通してはいるが、まだ流通量が少なく高価なので今回はPFラインを使用しました。
ちなみにこの商品は2000円弱ぐらい。
蛍光イエローの色が気に入って購入。
余った分は後でアオリイカを釣るのに使用する予定w
~補足説明②~
セルロースセメントは木材に使うコーティング剤。
本来はルアーやウキの下塗りやトップコートに使用される。
今回使ったのは耐UV仕様の塗料。
マニキュアのトップコートやエポキシ樹脂でも代用可能ですが、セルロースセメントの方が一液性で使い勝手が良く、過去にルアー作りで何度も使った事があるので使いました。
【結線の方法】
基本的な考え方はゾルダリングと一緒。
違いは使っている材料だけです。
まず、スポークの交点に糸を巻いて固定するだけだと効果が薄いため、スポークの交点をPEラインで編むように締め上げていきます。
PEライン自体が高強度かつ比較的しなやかで滑りも良いため作業性は良好。
糸を締め上げたら仮止めし、上からコーティング剤をかけて硬化させます。
コーティング剤が固まったら余った糸を切断し、もう一度上からコーティング剤をかけて硬化させたら完成。
結線&コーディング後のホイール
結束部分拡大写真
[良い点]
・PEラインは裁縫用のミシン糸と殆ど同じ感覚で扱えるが、強度は比較にならないほど強い。
・後で不具合が発生した場合、カッターナイフ等で結線を解除できる。
・同じスポークで何度でも結線をやり直せる。
・スポークに熱を加えないため、母材(スポーク)の強度低下の心配が無い
・結び目自体が若干変形出来るため、応力集中が少ない(気がする)
・結線部分の重量が軽い(気がする)
・結び方を色々工夫して遊べる
・お手軽
[悪い点]
・耐UVコーティングとはいえ、耐候性はゾルダリングに劣る。
・PEラインは普通のハサミではちょっと切りにくい。(切れなくはないです。釣具屋さんに売ってる専用のハサミなら快適です。)
~総評~
作業性は非常に良好で、簡単に結線をする事が出来ました。
この結線方法の使用用途は、
・結線の効果を試す実験。
・自分の手持ちホイールにゾルダリングをしたいが鋼線&ハンダでゾルダリングしてしまうと後に戻れないので、あらかじめ結線したときの効果を知りたい。
・手持ちのホイールのスポーク素材が鉄系以外の素材(アルミやカーボン等)のため鋼線&ハンダでゾルダリングできない時。
といった時にピッタリな結線方法。
私のように短期的なお遊びで使うのには十分な強度があるのでしばらくこの方法で遊んでみたいと思います。
耐久性に関して何か分かったら追加レビューします。
価格評価→★★★☆☆(高価と言えば高価ですが、他にも使える素材なので初期投資と考えます)
評 価→★★★★★(これは使える!!)