購入価格: ¥8,000 (税込) ※前後セット
標準価格: ¥5,300 (税込)
『日本製のシールドベアリングを使用したコスパに優れたトラックハブ。両側固定ギア用だがフリーギアにも対応』
■TECHNO CROSSのトラックハブ
TECHNO CROSSのシングルスピードラージハブは、PAXCYCLEに依頼したトラックホイールに使われたハブだ。前回の投稿はフロントハブだったが、今回はリアハブになる。ロゴはTECHNO CROSSとなっているが、定番のNovatecのトラックハブと同じものだ。
スポーク穴数はフロント同様32H。GIANT FIXERの純正ホイールは28Hだったので、スポークの本数は増えた。Novatecのものは、24H、28H、36Hも選べる模様。O.L.Dは120mm。シャフトは中空軸で、材質はクロモリ、径は10mmで、長さは160mmだ。また、NJS認可部品ではない。
TECHNO CROSS シングルスピード ラージハブを使ったリアのトラックホイール。右は付属の箱
■加工精度とアルマイト処理が美しいが、ロゴはもう一工夫欲しい
フロント同様、カラーはアルマイトブラック、アルマイトシルバー、アルマイトブルー、アルマイトレッドの4つから選べる。ロゴが2カ所に入るのもフロントハブと同じだ。このハブも加工精度が高く、アルマイト処理が美しい。KINLIN XR-300の光沢感のあるリムにも良く合っている。
ロゴはNovatecの方が私の好み。ハブの横方向にTECHNO CROSSと書いただけの味気ないものなので、フォントをかっこいいものにするとか、品のいいロゴを開発する等すれば、印象がかなり変わるはずだ。
それでもロゴがないよりはマシで、ハブの左右を確認するのに役に立つ。私は両側が固定ギア用のハブを選んだが、片方にフリーギアを取り付けている(後述)。はっきりした根拠はないのだが、なんとなく固定ギアを付けた側にはいつも固定ギアを、フリーギアを付けた側には次もフリーギアを取り付けたいからだ。
仕上げは美しいが、ロゴには一工夫欲しいところ。
■厚みのあるスチール製ロックリング
このハブには標準でスチール製のロックリングが2つ付属する。厚さが5mmもあるのでねじ切り面が広く、バック踏み等の大きな力にも耐えられそうだ。また、締め付けトルクや締め付ける向きを示す矢印があるのが親切。ロックリングは逆ネジなのでありがたい。ちょっと気になるのは、ネジに少しバリがあることだ。何回か使わないとスムーズにネジが締まらないかもしれない。
ネジが切られたリップの付いたSurlyのロックリングの方がねじ切り面が広いので、私は付属のロックリングを使っていない。このロックリングが悪いということではなく、Surlyの方が優れていると感じているからだ。これだけ厚みがあれば、付属のロックリングでもトラブルは生じにくいと思う。
付属のロックリング。ねじ切り面はSurlyの方が広いが、DURA-ACE TRACKのロックリングよりは厚みがある。
■両側固定ギアの両切りハブだが、フリーギアの取り付けも可能
両切りのトラックハブには、①両側が固定ギアのタイプと、②片側が固定ギア、もう片側がフリーギアのタイプの2つがある。片側がフリーギアのタイプは、ロックリングを取り付けるためのネジが切られていないので、固定ギアとして使うことはできない。
一方、両側が固定ギアのタイプには、フリーギアを取り付けることが可能だ。ロックリングのネジが切られている分、フリーギアにかかるネジ山の数は少なくなるが、全く問題なく使うことができる。FIXER純正ホイールも両側固定のハブにフリーギアが取り付けられていた。
両側が固定ギアのタイプでも、ハブによってはフリーギアを取り付けたときにフランジやスポークの根元に干渉することがあるらしい。その点、TECHNO CROSSのトラックハブは、フランジからネジ山までに幅があり、問題なくフリーギアを取り付けることができる。
TECHNO CROSSやNovatecのトラックハブに関しては、両側固定ギアの両切りハブがおすすめ。両側に固定ギア、片側ずつ固定ギアとフリーギア、両側にフリーギアと幅の広い使い方ができるからだ。
両側固定のハブの片側にフリーギアを装着。全く問題なく走行できる。
■性能にも見た目にも貢献するラージハブ
ラージハブの大きなフランジは、KINLIN XR-300の高めのリムハイトと高めのスポークテンションと相まって、トラックホイールの剛性感に大きく貢献している。踏めば即座に前に出る反応の良さ、力のかかりの良さは、FIXERの軽快でキビキビした挙動をより高めてくれる。軽量化を重視するならスモールハブだが、この走りを楽しさを知るとラージハブで良かった思う。
また、ラージハブの大きなフランジは、トラックホイールという印象が強いので好みだ。私がFIXERに乗るにあたって、ピストハンドルとラージハブの見た目は外すことができない重要なものだ。
コグやフリーギアに隠れてはいるが、ラージフランジは存在感がある。
■日本製シールドベアリングは軽い回転。浸水には要注意
フロント同様、リアにもEZO 6000RUという北日本精機の高精度なシールドベアリングが使われている。軽く滑らかな回転が特徴で、トラックホールの気持ちよい走りに繋がっている。
このベアリングは非接触型ゴムシール付きというもので、摩擦が小さく高回転に向いているが、防水性・防塵性や接触型に劣る。このハブにはダストキャップがなく、ベアリングが剥き出しの状態なので、水がかからないように注意する必要がある。
私はゴムシールを外し、シマノのプレミアムグリスを上から足しておいた。これは防水性を期待してのことだ。この前、ゴムシールを剥がしてグリスの状態をチェックしたら、片側が白っぽく変色していた。おそらく、洗車のときに水が入ってしまったのだろう。
ホイールを洗うときは、自転車からホイールを外し、ホイールを横に寝かせた状態でベアリングに水がかからないようにした方が良いと思う。
おそらくこのときに水が入ったのだろう。変色したグリスはできるだけ取り除いて入れ替えた。※写真は浸水しなかった方
■コスパの高いトラックハブ
TECHNO CROSSのハブは、街乗りのシングルスピードやピストに気軽に使えるリーズナブルな価格が嬉しい。それだけでなく、両側固定のタイプにもかかわらず、フリーギアを取り付けることもできるので使い勝手が良い。洗車や雨天でのベアリングへの浸水に気をつける必要があるが、多くのトラックハブもシールドベアリングが剥き出しである点は同じだ。
性能的には大変コストパフォーマンスに優れたトラックハブだと思う。特にリアハブは固定とフリーの両方のギアに対応できるので、街乗りや練習用のトラックホイールを作るのにおすすめだ。
GIANT FIXER Rのリアホイール。
価格評価→★★★★★ (コストパフォーマンスに優れたトラックハブ。日本製シールドベアリングの採用、ロックリング付属)
評 価→★★★★☆ (軽い回転、剛性感、フリーギアと固定ギアの両方に対応。ロゴと防水性が残念)
<オプション>
年 式→不明
カタログ重量→302g