購入価格 ¥下記参照
八重洲出版のサイクルパーツオールカタログ。
先日久々に購入したのが2013年度版。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10779&forum=84&post_id=18595#forumpost18595実はコレ、20年ぶりの購入でした。つまり1993年版以来。
で、その前の購入が1982年で、1982/83年版。
3冊を並べてみると ・ ・ ・
この30年で掲載されているパーツも随分と様変わりしたものです。というわけで、新旧3冊を並べて比較してみました。目についたところを独断と偏見で一覧表にすると、こんな風。
◇◇ ページ数 ◇◇
1993年版は薄い!
1993年版の編集後記にはこんな記述が。
(引用)
10年ほど前の「オールカタログ」が机の上にある。なんと400ページを超す(中略) 少なくなっているのは、各パートのスモールパーツ。(中略) 本来は専門家に任せるべきだと考えるのだが、時代とともにユーザーの要望がガクンと少なくなっていることも事実。 (後略)
(引用終)
というわけで、1982/3年版を指して、「なんと400ページを超す」と。
自転車を細かいパーツ単位でいじくり回すようなユーザが少なくなったのでしょう。確かに、自分で何でもする人の割合というのは、昔と比べると徐々に減っていたと思います。ところが2013年版は400ページ超の6000点収録です。これは世界的な自転車市場の変化や、インターネット環境の充実で情報が容易に行き渡るようになり、必要な部品用品を容易に発見し、入手できるようになったのが原因なのでしょうか。というわけで細かいパーツ単位でいじくり回すようなユーザは増えているのか、はたまた減っているのか??
◇◇ コンポ紹介ページ ◇◇
コンポーネント単位で紹介するページが、1982,3年版にはありません。コンポ単位で掲載するという発想が希薄だったかも知れませんし、また、当時フランスパーツがまだまだ元気で、コンポのページを追加するとページ数が増えすぎてしまう、という考えがあったのかも知れません。
◇◇ 裏表紙の広告 ◇◇
時代を感じます。2013年版は世界企業GIANTのロード、1993年版はブリヂストンのMTB。なるほどこのころはMTBがブームでした。そして1982/3年版はブリヂストンの入門スポーツ車EURASIAのラインアップで、ランドナー系ツーリング車からロードまで。このころは大学のサイクリング同好会などでの主力車種がランドナーでした。
◇◇ 700Cリムのチューブラ比率 ◇◇
1982/3年版で700Cリムのチューブラ比率70.8%というのは、最近乗り始めた方からすれば、信じられないような数字ではないでしょうか。当時はクリンチャ―を装着したロードは入門用として設定されるのみで、ヘタすりゃ≪ロード≫ではなく、≪ファーストラン≫などと呼ばれる時代でした。チューブラタイヤが近年、特にプロレースの世界では復活していますが、一方のチューブラリムに関しては、手組派にとって、まだまだ選択肢が狭いですね。
◇◇ スレッドステム比率 ◇◇
1982/3年版の100%に対して2013年版ではグッとすくなくなって8.5%程度。最近、スチールフレームがジワジワと復活基調ですが、それに呼応してなのか、チネリのスレッドステムが復刻したりしています。トラディショナルな規格のスチールパイプにアヘッドステムをカッコよく合わせるのはなかなか難しかったりしますが、チネリの1Aなどが入手できるようになったのは嬉しい話です。なおNJS規格のNITTOパールは相変わらず健在。まあしかし、巷で見かけるスレッドステムのロードの比率を考えたら、8.5%でも多すぎなのかも知れません。無くなると困りますが。
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以上は、一覧表を眺めた印象ですが、以下、細々とした各論。
◇◇◇1982/83年版の特徴◇◇◇
★当時はハンドメイドが全盛。多くのプロショップが代理店機能を受け持っていましたから、2台目のロードを買うならハンドメイド、という選択肢がそれほど珍しくありませんでした。というわけで、スチールパイプやラグ、フォーククラウンの情報が随分と充実しています。コロンバス、レイノルズ、石渡、丹下などのスチールパイプセットの肉厚や寸法一覧まで載っています。
★新しいホイールは店で組んでもらうか、自分で組むかのどちらかだったので、いわゆる≪完組みホイール≫という概念がありませんでした。というわけで完組ホイールが掲載されていません。したがって≪手組み≫という言葉も存在せず。
「ええっ、手組って?? 手で組むに決まってるじゃん!!」
という感じ。
★峠などに行くと、ロードも見ましたが、旅行車もよく見かける時代でした。というわけで、ランドナーやスポルティフなどに取り付ける各種キャリヤの商品情報が充実しています。
◇◇◇1993年版の特徴◇◇◇
★薄い!
★完組ホイールが出始めていますが、まだまだ一般的ではありません。
★スチールパイプのフレームが主流であることはまだ変わらず。
★ライト用LED光源の出現はまだまだ先で、ハロゲンやクリプトン球のライトが主流です。
★80年代後半から暫く迷走を続けていた(と言われる)カンパですが、廉価ラインアップにおいてもきれいなアルミクランクをラインアップしていました。ちょうどミゲール・インデュラインのツール5連覇の真っ最中でしたが、インデュラインは不評のカンパCレコードで勝ちまくっていたんですね。(おっと脱線)
◇◇◇2013年版の特徴◇◇◇
★オールカラーで時代に逆行する(笑)小さい字で重くて厚くて収録点数6000超
★ヘッド周りパーツはすっかりアヘッドだが、BB周りは規格多様化
★ホイールといったらそれは完組のことを指すと言っても過言ではない
★数多のパーツメーカーが群雄割拠
★マドガードはプラスチック製が全盛
★空気が楽々入るフレームポンプは絶滅危惧種入りで、ミニポンプやCO2カートリッジが隆盛
★一時は瀕死状態だったチューブラタイヤの復活が本格化・・・
etc,etc...
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というわけで八重洲出版のサイクルパーツオールカタログも時代とともに変化しています。
月日は白苔の過客にして・・・
メーカーの栄枯盛衰もありますが、相変わらず存在し続けているパーツメーカーもあります。
今後30年で自転車パーツと自転車の世界はどのように変わっていくのでしょうか!?
そしてあなたは30年後、自転車に乗っているでしょうか!?
評 価→★★★☆☆
(おおっと、詮無き話でお時間とらせてしまいました)